Page 8 - 第4部応用事例編ver60_Neat
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ICカードアンテナ周辺回路構成 ・共振回路 ① C3の電荷→C4へ移動期間 ② C4の電荷→C3へ移動期間
共振回路部分をピックアップした図と共振波形を示
・LC直列共振回路 す。 ① ①② ②
差動増幅回路は3個のトランジスタによる並列ドライブを構成している。高周波信 13.56MHzのベースドライブ信号と共振回路の波
号で且つ電流が多いので並列駆動していると考えられるが、動作の解析として1個 形の位相は、ONしているトランジスタのコレクタ電圧
のトランジスタと考えればよい。共振回路部分をピックアップした回路を図に示す。 は正弦波形のボトムになった共振正弦波形なる。
・エミッタバイアス回路 <①の期間・・・C3の電荷→C4へ移動期間> L5 ②
回路の安定動作のためエミッタに抵抗を入れてセルフ・バイアス回路を形成して C3に蓄積された電荷がC3→トランスT1→C4へ移動 +
いる。 する共振サイクルである。電圧波形で見ると電流と ①
エミッタの抵抗は安定動作の為には出来るだけ大きくして負帰還をかけたいところ 電圧の位相差があるのでQ2のコレクタ電圧は共振 +
であるがこの抵抗を大きくすると増幅度が減少するので、エミッタ抵抗をR1とR3に 正弦波形の上昇期間中となる。
分割して直流バイアスとしてはR1+R3で安定動作を図り交流的にはR3をバイパス C4への電荷の移動は前のサイクルにC3に蓄積され
することで増幅度を得る回路構成をとる。 C5には1000pFが実装されているの ていた電荷、及びトランスT1のインダクタンスに蓄積
で13.56MHzでのインピーダンスは されたエネルギー及び+EからL4を通して供給され
る電流などからなる。
Z = 1 = 2π 1 ×1000 ×10−12 = 12[Ω]
ωC ×13.56 ×106 <②の期間・・・C4の電荷→C3へ移動期間>
前記サイクルでC4に蓄積された電荷が、C4→トラン
R3の11Ωと並列になるので13.56MHz付近ではエミッタ抵抗は、 スT1→C3へ移動する共振サイクルである。電圧波形
R1+8Ω 程度となる。 で見るとQ2のコレクタ電圧は、共振正弦波形の下降
期間中となる。
C5のインピーダンス C3への電荷の移動は、前のサイクルにC4に蓄積さ ①の期間 ②の期間 コレクタ電圧
れていた電荷、及びトランスT1のインダクタンスに蓄 Q1 Q2
積されたエネルギー及び+EからL3を通して供給さ
れる電流などからなる。
・共振周波数 電流波形
主に関わっている共振部品を考えるとL4とT1の L3 L4
並列のインダクタンスとC4による直列回路、及びL3
とT1の並列インダクタンスとC3による直列回路が
半サイクル毎に共振しているので共振のLは、L4とT1
(L3とT1)と考えると(T=0.7uH/L4=2.2uH/
C4=270pFとすると)
C5R3の合成インピーダンス L = L4T1 = 0.7 × 2.2 = 0.53[μ F ] ①② 電流波形
L4 + T1 0.7 + 2.2 C3→T1→C4 C4→T1→C3 T1
このLとC4共振周波数を計算すると
11Ω f= 1 f= 1 C4
2π LC 2π 0.53×10−6 × 270×10−12
C3
= 13.3[MHz]
実際には、水晶の13.56MHzによってトランジスタが 電流波形
スイッチされるので引き込まれて13.56MHzの出力を
得ることができると考えられる。共振回路の共振周波 IQ2 IQ1
数と水晶の発振周波数がずれてくると両者の周波数差
によって、出力波形は正弦波形からずれた分乱れた波
形になる。