Page 3 - 第4部応用事例編ver60_Neat
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ICカードアンテナ周辺回路構成
アンテナコイル
ICカードのリーダー・ライタ部の概 シリアルIF(メイン制御部との) 差動増幅
略構成を示す。 LC直列共振回路
RX+ 差動ラインドライバ・レシーバー 整合 TX
・メイン制御シリアルI/F RX- OR 差動信号生成回路 RX
メイン制御部とリーダ・ライタ部間 整合
のシリアル通信インターフェースで TX-
差動ラインドライバ・レシーバを使うかR TX+
S232Cを使うかの選択をジャンパ
で行うことで2つのインターフェース
に対応している。
・OSC RXD マイコン
水晶発振による13.56MHzの TXD
発振回路でICカードとの通信に使 ASK変調回路
うキャリア信号及びマイコンのク 検波
ロックとして利用される。
・差動信号生成回路
13.56MHzのLC共振回路が差
動増幅回路で構成されるので、そ
の駆動信号として位相の180°異
なる反転信号を生成する。両者の
信号の反転による位相のずれが生
じないようEx-ORで構成される。
・ASK変調回路 ICカードからの応答信号の復号 差動増幅回路
振幅変位(ASK Amplitude shift
Keying)回路でマイコンからのマン
チェスタ符号化された送信符号で1
0%の変調がかけられる。
・差動増幅共振回路 ・応答信号の復号回路
13.56MHzの搬送波(キャリア)をASK変調された信号を差動共振増幅器で増幅する。増 受信用アンテナコイルとのインピーダンスの整合を行った後、検波(全波整流)して差動増
幅器はトランスのインダクタンスとコンデンサによる直列共振回路からなり13.56MHzで共 幅回路で増幅する。差動増幅した信号をさらに増幅回路を通してシュミット回路によりデジタ
振する。共振により搬送波のキャリアの振幅はQ倍される。共振回路のトランスの2次側は、 ル信号に変化してマイコンに処理をゆだねる。
インピーダンス整合を行ってアンテナに接続される。
・整合 アンテナ回路
差動増幅共振回路の共振トランスの2次側に、インピーダンス整合用のコンデンサをとおし
て送信アンテナが接続される。送信アンテナはトランスの原理により磁力線を発生し相互誘
導作用でICカードのアンテナコイルに誘導起電力を発生させる。相互誘導作用で得られた誘
導起電力によりICカード内に必要な電源を給電するとともにASK変調された信号からリーダ・
ライタのマイコンからの通信データを復号する。
・受信回路
受信用アンテナコイルには、リーダ・ライタ送信コイルから発した送信キャリア信号による相
互誘導作用によって、誘導起電力が発生するがICカードによって負荷変調された反磁界によ
る影響(負荷変調)が誘導される。この反磁界による誘導起電力がICカードからの応答信号
となる。