Page 27 - 第4部応用事例編ver60_Neat
P. 27

ICカードアンテナ周辺回路構成                                              A図 シミュレーション回路                       ・シミュレーション波形
                                                                       A                          注意 シミュレーションOpampは、2電源方式
 復号データのデジタル波形への変換
  A図にシミュレーション回路を示す。シミュレーションに使                                                                                              Opamp出力
 用したOpampは実際と異なる2電源タイプであるので実機出
 力とは波形が異なるので注意。                                                              C
  シュミット回路は反転入力によるコンパレータ(-端子に                                                 B
 負帰還がかかっていない)で構成されシュミット回路のON                                                 注 Opampは2電源Typeで
 及びOFFの閾値はR34とR36の比で決められている。                                                 実際と異なる

・LPF (R31、C19)                                                                  B図 LPF                   C                   B の電圧波形
 R31とC19はRCによるローパスフィルタを形成している。                                                   R31とC19のフィルタ特性  +端子                       A の電圧波形
カットオフ周波数は前後のインピーダンスを無視すると
                                                                            C図 出力=5Vの時
fo = 1      =  2π               1    ×      ≒3.4[MHz]
     2π CR              ×100 ×10−12     470

 となる。B図にフィルタの周波数特性を示すがこれよりキャ
リアの13.56MHzを除去するためのLPFと考えられる。

・シュミット回路                                               C図 出力=0Vの時
 Opampによるシュミット回路を構成している。基準電圧と
してR33とR32で+5Vを分割して2.5Vを基準電圧としたコ
ンパレータとして動作している。コンパレータとしての基準
電圧はOpampの+端子に供給されるがOpamp自身がON
している時、Offしている時の状態によって+端子の基準
電圧が変化する。これによりシュミット動作を行っている。

Opamp出力がハイレベルになる入力電圧閾値 (C図)
 反転増幅なので入力が基準電圧から負に変化すると出
力がハイレベルになる。つまり
Opamp出力が0Vの時の+端子の電圧は、

V+  = 2.5 R36           =  2.5 1000 ≒2.45[V ]                          5V
          R34 + R36            22 +1000
                                                             Vth+ 2.55V
Opamp出力がローレベルになる入力電圧閾値 (D                                            2.5V

図)                                                           Vth- 2.45V

 反転増幅なので入力が基準電圧から正に変化する                                                0V

と出力がローレベルになる。つまり

Opamp出力が+5Vの時の+端子の電圧は
                           R36     = 2.5 + 2.5 22 ≒2.55[V ]
V+  =  2.5 + (5 − 2.5)  R34 + R36               22 +1000
   22   23   24   25   26   27