Page 22 - 第4部応用事例編ver60_Neat
P. 22

ICカードアンテナ周辺回路構成                                                                                           ・シミュレーション回路     060307 recivetst
                                                                                                            、シミュレーション回路を
受信回路 アンテナコイル共振回路                                                    270p       47p                           示す。アンテナ誘導起             1          A
 リーダ・ライタ部の受信アンテナコイルの共振回路部                                             20p      47p                           電力を信号源で置き換
分を示す。左半分がアンテナコイルのインダクタンスLと                                                                                   えた直列共振回路を形                 L1     1
容量による直列共振回路を構成する。右部分は差動                                             270p                                     成している。信号源を絶                  4uH
増幅器のAC結合コンデンサと差動増幅器のベースバ                                                                                     縁抵抗でGNDしている                            C1
イアス抵抗となっている。                                                                                                 のはシミュレーション回                  B       270p
・共振周波数                                                                                                       路の都合による。L                         12
 共振回路部分を書き直した図を下に示す。
共振回路のインダクタンスはアンテナコイルでありコン                                                                                                           2V1             2C0p2C
デンサは、C66/C62/C64/C65/C63の合成容量から構
成される。                                                                                                                     DC =                    21                     C6                         C7
合成容量は、                                                                                                                    AC = 0.1                                                R5 1 3p
                                                                                                                                                                                  18k
   1 = 1 + 1 =1+1=2                                                                                                       TRAN = sin(0,0.1v ,13D.56MEG) C3            1  3p  R1                         R2
  Cx C66 C62 47 47 47                                                                                                                                       R4               47k     C5 2 47p           47k
                                                                                                                                                     270p
  Cx = 23.5[ pF ]                                                                                                                                 2         18k                   0

 CxとC64の合成容量Cyは、                                                                                                                       R6                      C4 2 47p

  Cy = Cx + C64 = 23.5 + 20 = 43.5[ pF ]               アンテナ直列共振回路                            AC結合バイアス設定                                 1000MEG
                                                                                                     3V
全体の合成容量Czは、                                                                                          3V                             0                       0

                                                                           1V                              共振開始部分の各部の電圧波形を示                       R1/R2の電圧
                                                                                                           す。
                                                          8V Cy                     3V                     共振電流はシミュレーション回路図の→
                                                                                                           の様なループを往復する形で始まる。4
   1= 1+1+1 = 1 + 1 + 1                                                    6V                              7pF(2個直列なので23.5pF)の共振コ
  Cz C65 Cy C63 270 43.5 270                                                             3V                ンデンサに並列に調整用のコンデンサ
  Cz = 33[ pF ]                                                                                            が入る。調整コンデンサで13.56MHz
                                                                                    Cx                     に共振周波数を合わす。
アンテナコイルの L が不明確なので、33PFで1                                                   1V
3.56MHzに共振するLを逆算してみると                                     0.1V誘導

                                                                                                                                                  C2両端の電圧

f0  =  2π  1
            LC
                                                                                                 13.56MHz
L=         1        =                   1              =  4.2[μH ]                            3V
           f )2 ⋅C          ×13.56 ×106 )2 × 33×10−12
    (2π                (2π

・共振電圧                  Q=   1  L  で表されるのでR=1とすると
 共振回路のQは、

                            RC                                                                1V

Q=     4.2 ×10−6        356                                                        C65の両端電圧                                                                             D点
       33×10−12                                                                                                                                                           C
                                                                                                                                                                         点
 Vc = Q ×Vin = 356 × 0.1 = 35.6[V ]                                                           6V
                                                                                                                                                                         B点
  シミュレーション波形ではVc=8Vの電圧が得られている。こちら                                                   C64の両端電圧                                                                             A点
  からQを出すとQ=80となる。この違いについては解析できてい
  ない。                                                                                         8V

・共振電圧の取り出し                                                                          共振電圧
 共振回路の出力を差動増幅器で増幅させるには、差動信
号で駆動しなければならないので共振コンデンサC64の両
端の電圧をC66とC62で分割してから出力を取り出す。
図に分割されている状態を示す。C1とC2とC3全体に(共振
電圧)8Vの電圧がかかっている。C2の両端には6Vがか
かっているのでC66とC62で2分割して3Vの出力が得られ
る。これらの信号の極性は反転関係にあり差動増幅器の差
動入力信号となる。
   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27