Page 18 - 第4部応用事例編ver60_Neat
P. 18
非接触ICカードの通信インターフェース基本技術 A図 マンチェスター符号 マンチェスタ符号の復号
・データフレーム構成 符号化された信号はシリアル信号で送信される。受信側でこの信号を
マンチェスタ符号 受けるためには信号を読み取るクロックを生成してそのクロックの位相を信号に合わせてビット
マンチェスタ符号(Manchester Code)は、デューティ50%のク 同期をかけてからデータを復号しなければならない。又意味あるデータとして読むためにデータ
ロック信号を基本として1ビットの、 の先頭を検出(キャラクタ同期)しなければならない。これらの処理のために必要なデータ以外の
前半がハイレベルの場合→データ 1 信号を付加して1つのグループにして送受信される。E図にフレーム構成例(Felica)を示す。
後半がハイレベルの場合→データ 0
として符号化する。特徴として E図 データフレーム構成例(Felica)
① 符号化された信号から同期したクロックが再生できる。
② データ1、0ともビット中央で変化するのでビット時間内では B図 マンチェスター符号化例(正極性)
電圧の平均値がゼロで直流電位の重畳がなく復号による誤り
が軽減される。 CP F図 マンチェスタ復号の復号
③ 最小パルス幅は、ビット間隔の倍となり周波数成分が高くな データ
るのでスプリアスを下げなければならない。 m-code データ Cx Mcode
④ ビットがずれると1と0が反転する。 000
1bit 1bit ・符号の復号化 マンチェスタへの符号化はB図の真 011
マンチェスタ符号の符号化(正極性の例) 理値表でデータとCPのEX-ORで得られた。もとのデータ 101
マンチェスタ符号は、B図のタイミング波形に示すが データ CP Mcode を得るにはF図に示すようにマンチェスタ符号と元のク 110
データ 0 → CP とAND 000 ロックとでEX-ORをとれば復号できることを示す。元のク
データ 1 → /CP とAND 011 ロックと同じクロックを受信側で再生したクロックをCxとし
を取ればよいので真理値表から論理式を求めると 101 て論理式で表現すると
110
mcode = D ⋅ Cp + D ⋅ Cp = D ⊕ Cp d = (Mcode) ⊕ Cx = ( D ⊕ Cp) ⊕ Cx
のようにEx-ORをとれば良い事になる。 ( ) ( ) ( ) ( )= DCp + DCp Cx + DCp + DCp Cx = DCp + DCp Cx + DCp + DCp Cx
但し実際にはCPとデータの立ち上がり、立下り時間のずれが
ある場合にはスパイクが影響しないような配慮が必要である。 ( ) ( )= DCpCx + DCpCx + DCpCx + DCpCx
この例では符号化されたコードが
立下りエッジ → データ1
立上りエッジ → データ0
であるが、このような変化を正極性論理と言われる。逆の場合
は負極性論理と言われる。負極性の場合はCPを反転した信
号を使えば良い。
マンチェスタ符号化シミュレーション 受信側で再生したクロックが送信側のクロックの周期と位相が全く同じであったとすると
Microcapによるシミュレーション波形を示す。 CpとCxは同じであるので前記論理式は簡単化され、元のデータが得られる。
C図 マンチェスター符号化シミュレーション波形(正極性) ( )d = DCx + + (DCx) = D
1 101 101 0 ・クロックの再生(ビット同期) 受信したマンチェスタ符号を復号するには送信側のクロッ
クと同じクロック発信回路を持ってその発振波形の位相を送信側の位相に合わせることがで
きれば後は受信したマンチェスタ符号と再生クロックとのEX-ORをとれば良い事がわかった。
発振周波数はクリスタル等の精度の良いクロック発振で容易に構成できるので、位相を合わ
す同期回路が必要になる。送信側クロックと同じクロックを受信側で生成するクロック再生に
はPLLを使った回路やカウンタを使った回路などから構成される。
1 101 101 0
D図 マンチェスター符号の変調波形例(Felica)