Page 16 - 第4部応用事例編ver60_Neat
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非接触ICカードの通信インターフェース基本技術                                                                ・直列に挿入した時のインピーダンスの軌跡                                    直列挿入の場合
インピーダンス整合スミス・チャート2
・スミスチャートへのプロット                                                           L=0.3μH        抵抗R  抵抗成分だけ変わりリアクタンスは変
 図のインピーダンスをイミタンスチャートにプロットする例を示す。                                                       わらないので等リアクタンス円上を移動する。
①RとLのインピーダンスを求める。(f=13.56MHzとする)                                ・・・・[1]                 インダクタンスL  抵抗成分は変わらずリアクタ
                                                                                       ンスのみ変わる。挿入リアクタンスLは正なので等
   Zin = R + jωL = 10 + j2π ×13.56×106 × 0.3×10−6 = 10 + j25.6                  R=10Ω  レジスタ円上をリアクタンス増加方向(時計方向)
                                                                                       に移動する。
②インピーダンス [1]式を特性インピーダンス50Ωで正規化する。                                                       コンデンサC  抵抗成分が変わらずリアクタン
                                                                                       スのみ変わる。挿入リアクタンスは負なので等レ
   zin  =  10 + j25.6  =  0.2 +  j0.512  ・・・・[2]                                       ジスタ円上をリアクタンス減少方向(反時計方向)
                50                                                                     に移動する。

③チャートにプロットする

 R成分が0.2であるので等レジスタ円(0.2)を探す。この円上を移動して等リアクタンス円(0.51                                     ・並列に挿入した時のインピーダンスの軌跡

2)のポイントが13.56MHzの時のZinポイントとなる。

④上記ポイントのアドミタンスを求め                                                                       抵抗R  コンダクタンス成分だけ変わりサセプタンスは
る。チャートから読み取る方法と計                                                                       変わらないので等サセプタンス円上を移動する。
算から求める方法がある。                                                                            インダクタンスL  コンダクタンス成分は変わらずサ
表からアドミタンスを読むと                                                                          セプタンスのみ変わる。挿入インダクタンスのサセプタンス
                                                                                       は負なので等コンダクタンス円上をサセプタンス減少方
   yin = 0.65 − j1.7 ・・・・[3]                                    0.512の等リアクタンス円         向(反時計方向)に移動する。
                                                                                        コンデンサC  コンダクタンス成分が変わらずサセプ
計算で求めると                                           0.2の等レジスタ円                          タンスのみ変わる。挿入リアクタンスのサセプタンスは
                                                   周波数が変化すると                           正なので等コンダクタンス円上をリサセプタンス増加方向
yin = 1 =         1                               この円上を移動する。                           (時計方向)に移動する。

        zin 0.2 + j0.512

= 1× (0.2 − j0.512)                                                                    ・チャート移動量から実値に変換するには                                     並列挿入の場合
  (0.2 + j0.512)(0.2 − j0.512)                                                          チャート移動量を i とすると、

   0.2 − j0.512        0.2 − j0.512                                                    直列にLを入れる場合                           × 50
   0.22 + 0.5122           0.302                                                                                            ω
=                 =                                                                       i ⋅ Z0 = ωL             L   =  i

= 0.66 − j1.7 ・・・・[4]                                                                  直列にCを入れる場合

                                                                                       i  ⋅     Z0  =   1         C= 1
                                                                                                       ωC              i × 50 ×ω

                                                                                       並列にLを入れる場合

                                                                                       i  ⋅ Y0      =   1  Y0  =  1         L     =     50
                                                                                                       ωL         50                    ×ω
                                                                                                                                     i
・周波数変化によるインピーダンスの軌跡                                                                    並列にCを入れる場合
 周波数が変化すると [1] 式のインピーダンスは、等レジスタ円に沿って移                                    直列接続
動する。周波数変化によってインピーダンスがどのように変化するかは分か                                          並列接続       i ⋅Y0 = ωC          Y0  =  1         C     =  50  i  ω
るが、ある周波数の時のインピーダンスの大きさは読み取れない。                                                                                    50                     ×
・直列又は並列に部品を接続した場合のインピーダンスの軌跡
 チャートの円の中心は、抵抗成分1.0なので50Ω、リアクタンス成分は                                                    L=0.3μH                    f = 13.56MHz
ゼロなのでL成分とC成分ともゼロつまりリアクタンスゼロポイントである。つ                                                   R=10Ω                      ω = 2π f = 85×106
まり反射を無くするには○印のポイントのインピーダンスをチャートの中心
位置に移動すればよい。つまりインピーダンス整合をとると言うことはチャー
トの中心に移動することである。
上記インピーダンスはチャート上の○印のポイントで表されたがその回路に
直列にL又はC又はRを接続すると○印のポイントの軌跡は、どうなるか
並列にL又はC又はRを接続すると○印のポイントの軌跡は、どうなるか
いずれかの部品を入れて円の中心にきたら、追加した部品を通して見ると1
0Ωと0.3μのインピーダンスが50Ωに見えるということになる。
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